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「孤高のメス」映画

この映画、「よくある医療ドラマでしょ」と侮ってはいけない。
心洗われる大感動作なのだ。
作品が終わり、エンドロープが流れ、劇場にスモールライトが点く、
と、通常ここで立ち上がる人が多々いるものだ。しかし今作では
誰一人席を立たなかった。立たない、というより、立てないのだ。
なにより鼻水が垂れてて、顔は涙でぐちゃぐちゃだから(^^;

舞台は約20年前、海沿いの地方の市立病院。
大学病院におもねり、困難な臨床は意図的に避け、手術ミスは隠蔽し、
事なかれ主義の保身に走る外科医長がシキる腐敗しきった現状に、
罪悪感を覚え、毎日うんざりしているシングルマザーの看護師。
そこへ、アメリカで肝移植を学んだ優秀な外科医が赴任してくる。
地域医療に貢献することを決めてやってきたその医師の考え方や人間性に、
院内のムードが徐々に変わってくる。
当時、脳死肝移植はまだ日本の法律では認められていなかった。
ところが人望を集める市長が倒れ、救う手立ては肝移植しかないにも
かかわらず、生体肝移植に適合するドナーがいない。
時を同じくして、事故に合って脳死状態になった若者が運ばれてくる・・・

…と、ザッとこういうストーリー。
役者さんがみんなうまい。
今回はマジに二枚目役の堤さんが主人公の外科医。
看護師:夏川結衣、事故に合う青年の母親:余貴美子、
イヤな外科医長:生瀬さん、若き外科医:吉沢悠、先輩医師:松重豊、
市長:柄本明、院長:平田満、事務長:矢島健一、市長の娘:中越典子、
成長した看護師の息子:成宮くん

多々の問題提起に考えさせられる点が満載である。

まず、地域医療のあり方。
大都会には最先端医療のハード・ソフトが揃い、大病院が林立しているにも
かかわらず、地方には診療科目さえも調えられない零細病院がいっぱい
という現状。しかし、地方を充実させても、採算が取れないというのも事実。
命は、どこにおいても平等の価値であるべきはずなのだが。
そして、
その地方の病院に医師を派遣しているのは大学病院で、その圧力には逆らえない
という現状。そこに隠蔽体質が育つ、ということはありがち。

さらに、臓器移植。
そもそも、人の成す「医療」が、どこまで許されるべきなのか、
どこまでそれを我々は認めるべきなのか。
命の重さとは? 人の生きる価値とは? 

余さん演じる小学校教師が、どうやら母一人子一人のようで、
よくできたかわいい未来ある息子が、夢に向って邁進中に、突然脳死になる。
その時に面した母の苦悩を、知的な抑えた演技で、しみじみと泣かせる。
体は温かいわが子を「死」と認めることが母にできようはずもない。
ここは、ドナーとなっても、ならなくても、一生迷うのだろうなぁ・・・(T-T)
ぜったいバスタオル必携。

そして堤さん演じる医師の、崇高な使命感と揺るぎない信念に満ちた行為。
「ただ、医師として、そこにある命を救うのみ」
たとえ、殺人罪を問われることになってもかまわない。
これまでの全てのキャリアを失い、去ることになってもまったく厭わない。
全ての責任は自分が負う。私がやるべきは命を救うことだけ。
うー、かっこいいよ。泣かせるよ。やっぱバスタオルだよー(T_T)

非常に重いテーマで、嗚咽の漏れる内容であるのだが、
ラストが爽やかな感動に満ちている。
最後まで地域医療に尽くし、亡くなった母、その母の敬愛した医師、
その物語を知った時、青年の信念も揺るぎない確かなもので満ちてくる。
気負いこまない、決意にみちた笑顔の成宮くんがとてもいい。

イヤなヤツの生瀬さんもよかった、それから、松重さんが
マジ顔で出てくると、つい「ほんとにいい人なの?」と思ってしまう私。
これは「天体観測」でオダギリを騙したワルい人役だった時から
すり込みされてしまったデス(^^;

これはいい映画だった。ありがちと侮るなかれ。観るべし。

 原作:大鐘稔彦「孤高のメス」
 監督:成島出
 脚本:加藤正人
孤高のメス
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Comment

No title
編集
田宮次郎みたいにかっこいい!

あ、ビジュアルが・・・
主治医は、「俺は設備不備が思わぬ事態を起こすからここ(大都会)でいる。」と、言われていました。実際できるお医者さんはそうみたいです。
うちのとこは、設備が整ってるけど、
科目によっては、問題児?が来るんです。
腕がいいけど、方々でもめて、流れてきたという・・・
2010年06月22日(Tue) 06:14
No title
編集
>田宮次郎みたいにかっこいい!
古いとこ、出してきましたね(^^;
この映画でも「ここにはそんな設備はない」
「これ以上のことは無理だ」
なんてシーンがありましたよ。
けど当麻先生はくじけないの、かっこいいのよん♪
2010年06月22日(Tue) 16:38












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『孤高のメス』お薦め映画
本作は20年前の臓器移植手術がテーマだが、先駆者たちが抱える危険と信念を真摯に描いたタイムリーな題材。臓器移植の他にも、医師不足、手術ミス、地域医療など、20年前にあった問題は今も解決できていないことがわかる。
2010年07月11日(Sun) 20:03
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