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「天下人の茶」 伊東潤

読書過去メモ
「天下人の茶」 伊東潤

これはとてもおもしろかったので、図書館本だったのでメモを取りながら
読みました。それをもとに、ここに自分の備忘として書きましたので、
とても長文です。もし読んで下さる方があれば、ごめんなさい。
そして完全なるネタバレです。未読の方はご注意ください。

秀吉と利休の蜜月関係と利休の切腹、なぜ突然こういうことになったのか、
謎は永遠に深まるばかり。
「利休に尋ねよ」では、利休の悲しい初恋の人の遺品にからめて、それを
解いていた。ロマンチックで素晴らしかった。どう解くかは書き手の自由だ。

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本作は、
1.天下人の茶 第一部
2.奇道なり兵部
3.過ぎたる人
4.ひつみて候
5.利休形
6.天下人の茶 第二部
という構成になっており、最初と最後で秀吉が舞う能の描写が印象的。
能の独特の現世と隔絶された濃い空気感が、読者を作品世界に
一気に引き込み、永遠にそこに留まらせる。

2.3.4.5.に登場するのは、それぞれ高名な茶人である、
牧村兵部、瀬田掃部、古田織部、細川忠興の四人。
この者たちと利休とのやり取りで「侘び」と利休自死の謎を解き明かしていく。

兵部は「奇道こそ侘茶の境地」という尊師の教えを追及するあまり、朝鮮で
民に殺される。血筋は最後まで傍流に流された末、途絶える。

掃部(かもん)は「この国を正しき方向に導かれよ」という利休の言葉を
守るべく、秀次と共に秀吉暗殺作戦に働くが、ビビりの秀次のミスで
自分の茶杓で自死する(掃部の作る茶杓は有名)

織部は利休に「自分の茶を継げる才があるのは貴殿だけ」「遠州にはムリ」と
言われた。しかし、謀られて家康父子に織部父子は切腹を命じられることに。
介錯人は皮肉なことに、遠州。
その後、利休の「侘茶」とも織部の「かぶいた茶」とも違う、遠州の知的で洗練
された王朝風の「きれいさび」は、武家茶道の本流として栄えていく。

有名な秀吉の「黄金の座敷」にて。
利休は秀吉の独自の才能を見抜いていた。自分の侘びを超えた何かがある。

「利休、そなたはわしに侘びを教えると言いながら、実は教えてなどいなかった。
実は侘びの境地にわしを近づけたくなかったのだ。
わしのような下賤のものには侘びはふさわしくないというのか」
「侘びはそれがしだけがつかさどるもの。
殿下は天下人。それがしは心のうちをつかさどる。
互いの領地に踏み込まぬこそ、肝要」
ウィン・ウインだった二人の関係に、徐々に亀裂が生じてきた。
もう、利休なくても秀吉は一人で政治も文化(茶)もやっていける、と思う。

「忠興と遠州を、侘び茶の後継者として取り立てる。そなたを殺すのに
なにかよい名目はないか」
「それならば、大徳寺の山門がよいでしょう」
殺すものと殺されるものは雑談をしているように淡々と話を進める。

利休が光秀をそそのかし、信長を葬った。
そして暗躍して秀吉擁立に働いた。秀吉は清州会議でも完勝。
その後も政治・外交から謀略に至るまで、利休は秀吉の参謀だった。
財政面でも秀吉を支えた。
自ずと発言力は高まり、独自の茶の湯の普及へとつなげていく。
美の世界を支配するのは利休、現世を支配するのは秀吉。

しかし、やがて秀吉は大陸制覇という野心を抑えられなくなる。
「天下泰平を目標とした信長と、利己心の秀吉は違う、間違っているぞ」
が、もはや利休は秀吉を統制することができなくなっている。
溝が深まる。

秀吉は利休が煙たい。しかし逃れられない。
明の征服も失敗。孤立していく秀吉。威信の失墜。衰退していく豊臣。
利休を除く。利休を殺す。それしか道はない。

舞いながら秀吉は思う。
「いったい、わしは、誰なのだ」・・・・・



いやあ、凄い。いったい茶道とは何なのだ・・・・ですね。。。
凄まじい男たちのメンツをかけた闘いの舞台です。



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Comment

No title
編集
これは、好みの問題でしょう。
両者の仲たがいには諸説ありますが。

私は、太閤さん好みかなあー
新幹線で、わかりやすい色のおばちゃんが居ったら
それは私です。
2016年05月19日(Thu) 09:40
No title
編集
「利休に尋ねよ」の方は読みました。
こちらの内容も大筋は同じようですね。
初めのうちは 二人の関係は良好で
利休の思いのままになっていき
やがて うとまれるようになる。

お茶が 政治においても
重要な役割を果たしていたのですねえ。
たかが お茶 されど お茶


2016年05月19日(Thu) 15:25
No title
編集
めーちゃん
「好みの問題」?
どっちか好きか?
んー、信長(^^;
2016年05月19日(Thu) 21:28
No title
編集
nonさん
「利休に尋ねよ」の方は、利休は“いい人”っていうか、
心清らかな茶人のイメージでしたでしょ?
こちらは、けっこう悪人というか、策略家という描かれ方です。
まあ、全き善人ではないでしょうけど。
でもその茶は人々の心を打った。
だたの「手段」ではなく、それだけの真の価値があった。

うーん、なんなんでしょうね。

切り口がぜんぜん違っておもしろいと思います。
お時間あれば、こちらも読んでみてください(^^
2016年05月19日(Thu) 21:46












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