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花笑み*マイ・フェイバリット

ワンコと映画と演劇と音楽と本とおいしいものと… 好きなもの、お気に入りのものについて書いていきます。

Top Page › Archive - 2013年02月
2013-02-27 (Wed)

「レ・ミゼラブル」

「レ・ミゼラブル」

「レ・ミゼラブル」をようやく観てきました。とてもよかった。もう出だしからラストまでずっと号泣。目が腫れたよー(^^;舞台で観たときももちろんとても感動したのだけど、映画にはまた違った魅力がある。舞台だとどうしても俳優さんの演技を中心に観てしまうのだけど、映画は作品としての素晴らしさが際立って感じられるものでした。貧しさから一切れのパンを盗んでしまう、それがもとで苦しい囚人の生活を19年も送る、せっか...

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「レ・ミゼラブル」をようやく観てきました。
とてもよかった。もう出だしからラストまでずっと号泣。
目が腫れたよー(^^;
舞台で観たときももちろんとても感動したのだけど、映画にはまた
違った魅力がある。
舞台だとどうしても俳優さんの演技を中心に観てしまうのだけど、
映画は作品としての素晴らしさが際立って感じられるものでした。

貧しさから一切れのパンを盗んでしまう、それがもとで苦しい囚人の
生活を19年も送る、せっかく助けてくれた司祭さまの銀食器をまた盗んで
しまう、しかし深い救いを得て、更生を誓う、、、
これが誰もが知ってるレミゼの始まりだけど、小さい頃の私は、このことを
ホントにしみじみと身にしみる自分のものとして感じ取ることができなかった。
しかしこの共感の深さの違いが、この後の作品のすべての理解の深さを
左右するわけであって、やはり「少年少女世界名作全集」みたいなのは
あってよしなのか?といつも思ったりするわけです。

極貧の中で何とか娘を育てたいと願うフォンテーヌの思い、
コゼットを得て生きる喜びと意義、神の救いを実感するジャン・バルジャン、
一方、彼を執拗に追うジャベールの思い、
フランスを変えようと戦う若者たち、
全てが必然の、深い深い愛の物語でした。
「愛なしでは生きられない」こんな歯の浮くような言葉は何度も聴いて
知ってる。だけど、ほんとに「愛」のない世界で孤立無援な自分を思って
みたことがあるだろうか。
このトシになってからでこそわかるレミゼの世界の深さというのが
確かにあるんだなあ。
またもう一度観たい、そして機会あれば何度でも繰り返し観てみたい
と思わせる名作でした。

001.jpg
トム・フーパー:監督
ヒュー・ジャックマン
ラッセル・クロウ
アン・ハサウェイ
アマンダ・セイフライド




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2013-02-27 (Wed)

猿之助・中車 襲名披露お練り 御園座

猿之助・中車 襲名披露お練り 御園座

2月25日(月)御園座で猿之助さんと中車さんの襲名披露のお練りがあり、行ってきました♪ぜんぜん知らなくて、前日の夜に友人たちからメールをもらってたのを朝になって知り、だら~っとダラケてたところを急遽シャッキーン!として、寒空に飛び出したという、毎度ゲンキンなわたくしであることよ(^^↓こちら写真は御園座さんサイトよりいただきました。フェイスブックはこちらこの日は御園座の周囲をぐるっと一周するというコー...

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2月25日(月)御園座で猿之助さんと中車さんの襲名披露のお練りがあり、
行ってきました♪
ぜんぜん知らなくて、前日の夜に友人たちからメールをもらってたのを
朝になって知り、だら~っとダラケてたところを急遽シャッキーン!として、
寒空に飛び出したという、毎度ゲンキンなわたくしであることよ(^^

↓こちら写真は御園座さんサイトよりいただきました。
御園座 m
フェイスブックはこちら

この日は御園座の周囲をぐるっと一周するというコースで、
大通り(伏見通)の部分もあるし、徒歩だし、というので、
警察とALSOK、御園座の社員のみなさんの警護がかなり厳重で、
しかもTVやカメラ、報道のみなさんががっちりと場所をとっているので、
我々はあまり近くによることもできず、声をかけて答えてもらうなんて
こともできず(握手なんてとんでもない)みんなが手をふるだけという
やや残念なお練りではありましたが、おめでたい場所に参加できて
嬉しく、楽しいひと時を過ごしてきました。

お練りとしては、昨夏の勘九郎さん七之助さんの大須の時の方がよかったな。
アーケードだったし、人力車だったし、直にふれあいがあって「お練り」感が
満足できるものだった。
まあ、今回は仕方ないですけどね(場所も、時間も、季節も)

いまだどうしても「かめちゃん」「香川さん」と言ってしまう私ですが、
今後のご活躍をお祈りしております!!

PS:「ちゅうしゃさん」というのは早口言葉みたいで言いにくいですが、
この日も司会の方が何度も「ちゅーしゃしゃん」と噛んでました(^^;

下の別窓で写真が開きます。
お友だちからもらった大事な写真なので、無断転用はしないでね。

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管理人のみ閲覧できます * by -

Re: タイトルなし * by 美月
そうですね、
目的ある毎日で楽しく元気に過ごしたいものです(^^

2013-02-15 (Fri)

「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」

「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」

とてもいい映画だった!ほのぼの、しみじみ、うんうん、じわ~ん、として、やがて、勇気りんりん、元気百倍となる、超絶おススメ映画。大御所ベテラン俳優たちが顔を揃え、見ごたえ120%です。「神秘の国インドの高級リゾートホテルで、心地よい魅惑の日々を!」そんなコピーに誘われて、マリーゴールドHにやってきたイギリス人7人。イヴリン(ジュディ・デンチ)は40年間守られていた夫を亡くし、初めて現実を知った主婦。多額の...

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とてもいい映画だった!
ほのぼの、しみじみ、うんうん、じわ~ん、として、
やがて、勇気りんりん、元気百倍となる、超絶おススメ映画。
大御所ベテラン俳優たちが顔を揃え、見ごたえ120%です。

「神秘の国インドの高級リゾートホテルで、心地よい魅惑の日々を!」
そんなコピーに誘われて、マリーゴールドHにやってきたイギリス人7人。

イヴリン(ジュディ・デンチ)は40年間守られていた夫を亡くし、
初めて現実を知った主婦。多額の負債のために家を売り、息子の誘いを
断って、インドで一人暮らしをすることを決意した。
ダグラス(ビル・ナイ)とジーン(ペネロペ・ウィルトン)夫妻は退職金を
託した娘が事業に失敗。資金的にやむなくインドで暮らすことにした。
ミリュエルはかつて有能な家政婦だったが、今は引退。有色人種への偏見
で固まっているが、人工股関節の手術を受けるため、大嫌いなインドへ。
ノーマン(ロナルド・ピックアップ)は夢の国で最後の夢のロマンスを!と。
マッジ(セリア・イムリー)は「お金持ちの男」を探すため。
グレアム(トム・ウィルキンソン)は、かつて少年時代を過ごしたインドに
どうしても人生の最後に会っておきたい人がいた。

ところが、到着してみると、そのホテルは倒れかけのおんぼろ。
若き支配人ソニー(テヴ・パテル)は夢と意欲だけあるが、実力がない。
7人は、ホテルのボロさや街の喧騒、インドのすさまじい迫力に圧倒され、
くじけそうになるが、やがて適応し、それぞれの道を模索し始める。
が、しかし、ソニーは母親に猛反対され、ホテルも手放し、恋人とも別れる
ことをしぶしぶ了承し、7人はまた「ふりだしに戻る」ハメになる・・・

エピソードの一つ一つがホントにすべてよくて、誰もが共感させられるし、
生き生きとしているし、しみじみと泣けるし、もう感動の連続。
大笑いの部分もたくさん盛り込まれているし、
とにかくいいんだなー、これ、言うことなし(^^v
もっと書きたいことは山のようにあるけど、ネタバレで叱られそうなので
ここまででやめにします。
迷っている人も、落ち込んでいる人も、悩んでいる人も、ぜひこの映画を
観てみるべし。それぞれに得るものが、ぜったいあると思うよ。

人生で失敗することはぜんぜん悪いことじゃない。
何が悪いって、やるべきことをやらなかったこと、
やりたいことをやらずに終わってしまうこと、
それが人生の後悔すべきことなんだ。
どんなこともやってみてはじめてわかる。
やってみればなんでもできる。
やりたいことを自由にやればいいんだ。
そんなメッセージが全編に込められています。
マリーゴールドホテルでみんな会いましょう!

「恋におちたシェイクスピア」のジョン・マッデン監督
  ↑これも名作だったよなぁ~(*^^*


PS.ホテルでずっとうずくまっている白いターバンのおじいさんがミソ。
この人なんのためにいるの?と思っていたが、ナント、大活躍でした(笑

マリーゴールドホテル



映画 * by のりりん
私も 見ました。
いい映画でしたね~
あの007の人も出てましたね~
きっと名優揃いだったのでしょうね。

Re: 映画 * by 美月
はい、いい映画でしたね~(*^^*
はいはい、007の人、名優さんであります(笑
どんな役をやっても存在感があってうまいですね~

2013-02-12 (Tue)

「クリムト 黄金の騎士をめぐる物語」

「クリムト 黄金の騎士をめぐる物語」

愛知県美術館開館20周年記念 クリムト「黄金の騎士」コレクション展。こちらもすでに閉展しているのですが…2/5に行きました。クリムト生誕150年(2012)記念でもあります。クリムトの頃は、音楽界ではマーラーやアルマの時代で、交流があった、というか、アルマはクリムトの恋人でもあったとか、らしいですね。恋多き美女、ファムファタルであります。「人生は戦いなり(黄金の騎士)」は国内公立美術館が初めて所蔵したクリムト...

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愛知県美術館開館20周年記念 クリムト「黄金の騎士」コレクション展。
こちらもすでに閉展しているのですが…2/5に行きました。
クリムト生誕150年(2012)記念でもあります。
クリムトの頃は、音楽界ではマーラーやアルマの時代で、交流があった、
というか、アルマはクリムトの恋人でもあったとか、らしいですね。
恋多き美女、ファムファタルであります。

「人生は戦いなり(黄金の騎士)」は国内公立美術館が初めて所蔵した
クリムト作品なんだそうで。この前まで出張中でお留守でした。
この白蛇が、最初は首をもたげて直立していたことを実証してありました。
よーく見ると緑の修正の後が見えるの。

クリムト作品はオーストリアが国外貸出を厳しく制限しているので、
今回も油彩は8点のみ。ちょっとさみしい。
国内初展示という、死の前年の「赤子」…色彩はまさにクリムトだけど、
赤ちゃんの顔が、赤ちゃんらしい無垢なものでなくて、なんか怖い。

あとはウィーン分離派の作品の展示と、デッサン、ポスターなど。
ジャポニズムも濃厚だが、全体的に退廃と死のイメージがドロ~ンと
漂っている。
でも投げやりではなくて、濃ゆーい、パワーのある、独特の世界。
工芸品(家具や食器)ではあちこちの格子模様が目に焼き付いて残った。

ウィーン大学の石頭のせいで焼失した壁画の原寸大パネルは圧巻。
また「ベートーヴェン・フリーズ」の部分や原寸大のパネルもあり。
こちらは写真OKだった「ストックレー・フリーズ」の下絵原寸大パネル。
kurimuto.jpg
全体として、ウィーン分離派やクリムトの想定していた美術世界は
味わえるけれど、クリムトの黄金の蒔絵の絵画にたっぷり浸るには、
ウィーンに行くしかない。←これはわが人生ではムリっぽいな(^^;
でもお金とチャンスがあれば行ってみたいよ、ウィーン♪



* by めーちゃん
甘美な退廃美らしいですねえ。
放蕩を可能にした封建制が崩れる直前の。
今は平等になって、ありがたいけど
利益を吸い上げたパトロンも出ませんから
勢い芸術とかは、無難になっちゃう。

行けますよ。
一発小説書いて当てて。
スーザンボイルみたいに。
(これしか例えが見当たらない・・・)

Re: タイトルなし * by 美月
この時代は美術も音楽も文学もなかなかおもしろいですね。
その時代、時代によって特徴ある芸術が生み出されるのは
興味深いことです。


2013-02-12 (Tue)

「組曲虐殺」名古屋公演

「組曲虐殺」名古屋公演

はなはだ記事が後手ですが、2/3(日)愛知県芸術劇場 大ホールにて。井上ひさし:作 栗山民也:演出の舞台の大トリ、名古屋で観ました。小林多喜二の29年の生涯を描いた作品です。音楽は、小曽根真の生ピアノ。多喜二を井上芳雄くん。心の恋人(恋人以上許嫁未満、と言っていた)を石原さとみちゃん、彼を支えた同志で妻であった女性を神野三鈴さん(オゾネと夫婦初共演)姉が高畑淳子さん、警察官に山本龍二さんと山崎一さん。...

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はなはだ記事が後手ですが、2/3(日)愛知県芸術劇場 大ホールにて。
井上ひさし:作 栗山民也:演出の舞台の大トリ、名古屋で観ました。
小林多喜二の29年の生涯を描いた作品です。
音楽は、小曽根真の生ピアノ。

多喜二を井上芳雄くん。
心の恋人(恋人以上許嫁未満、と言っていた)を石原さとみちゃん、
彼を支えた同志で妻であった女性を神野三鈴さん(オゾネと夫婦初共演)
姉が高畑淳子さん、
警察官に山本龍二さんと山崎一さん。
みなさんベテラン演技派の方たちなので集中して浸れるよい舞台でした。
終演後は舞台上も観客席も総立ちでみんなで涙の拍手って感じで。
俳優さんたちからのメッセージも聞けて、また感動ひとしお。

心優しいパン職人であった多喜二少年が、なぜそんなひどい拷問を受け、
若い命を散らせなければならなかったのか。
思想や言論の自由を力で弾圧することの無意味さ、なさけなさ、憤り。
監視役であった警察のふたりがやがて多喜二らに共感していく様が
見事に表現されていました。
何が正義なのか。どうあるべきなのか。我々はどの路を進むべきなのか。

芳雄くんの歌は少ししかなかったけど、演技、よかった。
高畑さん、三鈴さん、多喜二を支えるふたりの女性が泣かせます。
さとみちゃんはもうちょっと、だけど、この若さでこの時代の苦悩を表現する
のは難しいことかもしれないね。
そしてオゾネのピアノ、
感動しました!素晴らしかった。
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2013-02-11 (Mon)

梅は咲いたか

梅は咲いたか

桜はまだかいな2月手ぬぐい出すのが遅れました(汗とっても大寒波な毎日で、とても♪ほーほけきょとはいきませんね、まだまだ。暦は立春をすぎ、本物の春を待ちわびる日々。皆さまお体お大切に。ブログネタ、後手後手に停滞ちう。鋭意、更新努めまする。...

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桜はまだかいな
2gatu.jpg
2月手ぬぐい
出すのが遅れました(汗
とっても大寒波な毎日で、とても♪ほーほけきょ
とはいきませんね、まだまだ。
暦は立春をすぎ、本物の春を待ちわびる日々。
皆さまお体お大切に。

ブログネタ、後手後手に停滞ちう。鋭意、更新努めまする。



* by めーちゃん
>梅は咲いたか

和泉の国では
咲いています。
けど、弟の件が片付くまで
春は来ません。

Re: タイトルなし * by 美月
もう咲いてるんですね(^^
水戸や熱海も咲いてるかな~♪
また行きたいなぁ。

* by ちゃいむ
あー宣言してたのに
まだ額縁買えてない!
でも額縁飾るトコもあまりないんだった;^^
梅のてぬぐい素敵ね。
うちの梅子(植物)はまだ沈黙しておる…

Re: タイトルなし * by 美月
うちはなんか時がとまったような老的空間なので(?)
毎月の手ぬぐいで季節の移ろいを確認しておりまするのよ。

> うちの梅子(植物)はまだ沈黙しておる…
うん、絵より生の可憐な姿を見たいものよ。

2013-02-02 (Sat)

「エデン 」近藤史恵

「エデン 」近藤史恵

あの大感動の「サクリファイス」の続編。三年後、チカはスペインを経て、フランスにいる。ついにツール・ド・フランスに挑むのだ。とにかく今回もまたおもしろい!友情と駆け引き。悪い噂の真相は?チカはツールを完走することができるのか?自転車ファンでなくても、何の予備知識がなくても、必ず夢中になって一気に読んでしまうこの興奮と感動の物語、あれこれ言うこともない、とにかく読んでみるべし。ツールのこともいろいろわ...

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あの大感動の「サクリファイス」の続編。
三年後、チカはスペインを経て、フランスにいる。
ついにツール・ド・フランスに挑むのだ。
とにかく今回もまたおもしろい!
友情と駆け引き。悪い噂の真相は?
チカはツールを完走することができるのか?
自転車ファンでなくても、何の予備知識がなくても、
必ず夢中になって一気に読んでしまうこの興奮と感動の物語、
あれこれ言うこともない、とにかく読んでみるべし。
ツールのこともいろいろわかって、おもしろいよ~!

エデン (新潮文庫)エデン (新潮文庫)
(2012/12/24)
近藤 史恵

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No title * by めーちゃん
若いころは自転車で暴走していましたが、
競技用のものは、よう、乗らんです。
で、お子様を乗せるの、
あれ、どないするんでしょう。
スタンド立てた状態で乗せるのかな。。

No title * by のりりん
私も 「サクリファイス」「エデン」
両方読みましたが
心理状態が わかりやすく描かれていて
好感の持てる作品でした。
自転車レースなど 全く知りませんでしたが
ああ こういう世界もあるのだなあと
楽しみながら読めました。

Re: No title * by 美月
のりりんさん
いつもありがとうございます。
ホントに感動的な作品でしたね。
ふしぎなジャンルでありました。
3編目も出てますね。
こちらは短編集らしいですが。
まあ、文庫になってからですね。
最近は本棚健全化のため、文庫以外は買わないと
自戒しています(^^

Re: No title * by 美月

> で、お子様を乗せるの、
> あれ、どないするんでしょう。

お子さま用椅子は、自分が小さい頃、父に乗せてもらっていましたが(^^;
その後は出会ってないので、わかりません。
若かった父が、前に私を、後ろに母を乗せて、野山を走っていきました。

No title * by ちゃいむ
エデンまだ買ってなかったー
早く読まないと、
……という本がたくさんありすぎて(汗)
近藤さん、本当にすごいなあと思う。
サクリファイスでは、まったく取材しなかったって書いてあったもんね。

Re: No title * by 美月
> エデンまだ買ってなかったー
> 早く読まないと、
> ……という本がたくさんありすぎて(汗)

そうなのよね、本棚エコスリム計画にもかかわらず、本が増える(^^;
買わないぞ、と思ってても、もう一人の私が「これは買っとかないと」と囁くw

近藤さんね、私、もっと大きくて筋肉質のアネゴ肌系の方だと
勝手に思っておりました、ら、ぜんぜん別のタイプの方で。
作品から想像するのとは違うものなんですねー
それだけそういう違うものが書ける、ってのがまたすごいなー

2013-02-02 (Sat)

「紙の月」 角田光代

「紙の月」 角田光代

「八日目の蝉」などの犯罪をテーマにした角田さんの作品群の一つで、公金横領の逃亡犯の女性を主人公にしている。「Paper Moon」と言えばオニール父娘の映画が有名だが、この小説も詐欺の話だ。It's only a peper moon. あれはただの紙の月だよ、というのは家族写真の背景にハリボテの月がよく使われた一時期を指して、幸福な時、それも刹那的であったり、偽物であったり、過去のものであったり、というような郷愁と切なさと諦観を...

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「八日目の蝉」などの犯罪をテーマにした角田さんの作品群の一つで、
公金横領の逃亡犯の女性を主人公にしている。
「Paper Moon」と言えばオニール父娘の映画が有名だが、
この小説も詐欺の話だ。
It's only a peper moon. あれはただの紙の月だよ、というのは
家族写真の背景にハリボテの月がよく使われた一時期を指して、
幸福な時、それも刹那的であったり、偽物であったり、過去のものであったり、
というような郷愁と切なさと諦観を孕んだものを象徴している。

主人公:梨花は41歳の銀行の契約社員。1億円を横領し、タイを逃亡中だ。
そこに至るまでの、梨花の日常が、群像劇の形で描かれていく。
何不自由ない、夫に守られた幸せな主婦の典型であったような梨花、
しかしその内面の空疎さは、誰にもはかり知ることのできないものだ。
夫との小さな違和感、微妙なズレ感、そしてそれを満たしてくれた若者、
お金、つかの間の充実感、夜空の月に上ってしまいそうな体を突き上げる
幸福感。自分が確かに生きているという実感。

犯罪への道は、誰の前にもひそかに開かれている。
少しばかりの焦燥と、不満と不快さ、それを消してくれそうな「何か」、
それらがあれば、あなたも私も、誰もが目の前にある1億円に手を
出してしまわないともかぎらないじゃないか、そんな説得力のある
角田さんの濃厚で、かつヌケ感のある冷めた文章がすばらしい。
いつもながら感服してしまう力量の豊かさ。
女性なら誰もが「うん、うん」とうなづきながら読むだろう。

紙の月紙の月
(2012/03/15)
角田 光代

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